ゲップが出せない人へのボトックス注射とは?
アメリカではR-CPD患者(ゲップ出せない人)に対して、輪状咽頭筋へのボトックス注射が広まっています。
この記事では、ボトックス注射の効果、副作用、費用、日本で出来るのか?などについて解説していきます!
そもそもボトックス注射とは?
ボトックス注射とは、ボツリヌス菌という毒素を注射するものです。
「毒素を注射する」と聞くと怖い感じがするかもしれませんが、医療の現場では筋緊張を緩和する目的で利用されています。
例えば脳卒中後の硬くなった筋を、緩める目的で利用されたりします。
美容の現場では、噛む筋肉をゆるめて顎をシャープにしたり、表情筋を緩めてしわの改善をしたりもされています。
医療現場では保険適用も認められていますので、国のお墨付きの安全な治療、ということになります。
ボトックス注射の効果と副作用
R-CPD患者は、食道の入り口である輪状咽頭が緊張しすぎていてゲップを出すことが出来ない、と考えられています。
2019年にR-CPDの概念が初めて発表されていますが、その研究の中でボトックス注射を打った51人全員がゲップを出せるようになっています。
効果としては疑う余地がありません。
その次に気になるのは副作用だと思いますが、重篤な副作用は報告されていません。
ゲップが出るときに胃酸が上がってきたり、物が少し飲み込みにくくなったりという事もあるようですが、一時的なもののようです。
効果の持続期間ですが、通常のボトックス注射は4‐6カ月程度とされています。
しかしR-CPDの場合、永続的に効果が持続する場合もあるようです。
それは、輪状咽頭筋が弛緩してゲップを出す、ということを脳が学習するためと考えられています。
つまり、自転車の乗り方を一度覚えてしまえばもう忘れない、ということと同じです。
実際に僕のゲップの出し方を実践してゲップが出せるようになった人は、その後は容易に出せるようになります。
「意図して出せるようになる」、この体験のきっかけ作りにもボトックス注射は利用できるでしょう。
ボトックス注射の費用
日本ではやっていないので、アメリカでの一例を調べてみますと、検査に1000ドル、治療に2700ドル、合計3700ドルというものがありました。
日本円でおおよそ50万です(1ドル140円換算)。
アメリカの保険事情などが分かりませんが、渡米して治療を受けようと思うと、旅費など含めて100万近くになりそうですね(´;ω;`)
R-CPDに対するボトックス注射は日本ではやっていないのですが、嚥下障害に対するボトックス注射を行われている様です。
これは輪状咽頭筋が緊張していて物が飲み込めなくなった患者さんに対する治療で、R-CPDの治療とほぼ同じです。
輪状咽頭筋から入っていく方の治療が嚥下障害に対するもの、出ていく方の治療がR-CPDに対するもの、という事です。
そう考えると保険適用もできそうですが、やってくれる医者がいるかどうか…
ちなみに嚥下障害に対するボトックス注射は、川崎医科大の青柳陽一郎先生が中心に研究を発表されています。
R-CPDの日本人に対する研究もやってくれないでしょうかね(-ω-;)
保険適用されれば、最高でも8万で可能になります。
さいごに
R-CPDに対するボトックス注射は、自転車でいう補助輪のようなものと考えることもできます。
なので僕個人としては、必ずしもボトックス注射に頼らなくてもゲップは出せるようになると考えています。
まずはゲップの出し方を、こちらの記事を参考にして練習してみて下さい!
この記事は、自転車でいうと誰かが倒れないように支えているようなものです。
分からないところがあれば、どんどん僕を頼ってください!
あと川崎医科大の青柳陽一郎先生、R-CPDの研究もお願いします(・∀・)
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